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【西東京中央総合病院】当院における心臓リハビリテーションの実際のご紹介

皆さんは心臓リハビリテーションと聞いてどのようなイメージをお持ちでしょうか?

 

当院の心臓リハビリテーション(以下心リハ)は、日本心臓リハビリテーション学会が提示しているガイドラインにおける定義「医学的評価・運動処方に基づく運動療法・冠危険因子是正・患者教育およびカウンセリング・最適薬物治療を多職種チームが協調して実践する長期にわたる多面的・包括的プログラム」に基づき、多職種チームでのサポートを実施しております。

当院には学会認定の心臓リハビリテーション指導士が循環器内科医師1名・理学療法士3名在籍しております。

当院では2007年より心大血管リハビリテーション料(Ⅰ)の施設基準を取得し、急性期から後期回復期までの心臓リハビリテーション(以下心リハ)を実施しております。

西東京市内には、病院6施設(うち循環器標榜4施設)・診療所119施設(うち循環器標榜19施設)があります。そのうち、日本心臓リハビリテーション学会に登録をしており、学会認定の心臓リハビリテーション指導士が在籍し入院中だけでなく外来でも心リハが受けられる施設は市内にわずか2施設となっております。

ここで、当院当院オリジナルで作成した心臓リハビリテーション手帳をご紹介致します。この手帳は、医師・看護師・管理栄養士・理学療法士が参画する心臓リハビリテーションチームが、再発予防に向けて自己管理ができることを目標として作成致しました。各職種より患者様にご理解いただきたい知識(疾患・日常生活・薬・食事・運動)に関するページを設け、心リハ実施時に活用をしています。また血圧や運動内容、内服状況、食事内容を記載するページを設けています。患者様は入院中から記載を始め、退院後も外来での心リハの際にお持ちいただき個々に合わせた生活等の指導を行っております。記載ページは、病院のホームページからダウンロードできますので、ぜひご活用いただければと思います。

https://www.nishitokyo-chuobyoin.jp/department/original4_0/heart/#title04

 

では、ここからは心リハの実際の流れについてご紹介致します。今回は経皮的冠動脈形成術(以下PCI)を行った急性心筋梗塞・狭心症の患者様への心リハをご紹介したいと思います。

 

PCI当日の超急性期から集中治療室内で実施し、その後前期回復期は一般病棟・リハビリ室にて、後期回復期は外来通院にて実施します。ここまでが保険診療で行える心リハとなり、これ以降の維持期は地域の運動施設や自宅にて自己管理のもと継続されます。

 

急性期(Phase Ⅰ)

これは集中治療室内でPCI当日に行う超急性期心リハです。医師指示のもと、重症度に応じてベッド上でのストレッチ・筋トレから始め、椅子の座位でサイクルエルゴメーターを漕ぎます。

 

前期回復期(Phase Ⅱ)

状態が安定すると一般病棟・リハビリ室での実施となります。心電図や血圧をみながら、当院オリジナルの体操DVDを視聴しながら準備運動をし、自転車エルゴメーターを駆動します。また前述でお示しした心臓リハビリテーション手帳の記載を開始し、自宅退院後の自己管理能力獲得のために練習をしていきます。

後期回復期(Phase Ⅲ)

退院後外来での心リハが週1回1時間の頻度で開始されます。患者様ご自身で血圧・体重測定をした後、決められた負荷量で自転車エルゴメーターを駆動します。慣れてくると、ご自身で負荷量を調整しながら実施することが可能となってきます。負荷量の決定には、心肺運動負荷試験(CPX)の結果を用います。

 

外来での心リハを完遂した患者様には最終実施日に盛大な卒業式を行い、当院オリジナルの卒業証書をお渡ししています。学生時代以来の卒業証書授与式は、患者様に大変好評です。

近年、冠動脈の再灌流療法の普及や心臓手術の低侵襲化などにより、早期離床と早期退院が可能となりましたが、それを補完する外来心リハの重要性はますます高まっています。また、心リハの主目的は、身体機能回復から長期予後改善に向けた再発予防へ変化しています。そのため入院中の限られた時間の中で十分な動機付けを図ることが重要と考えます。ご自分でご自分の身体を管理できるようになっていけるのが心臓リハビリテーションの集大成といえると思います。

 

 

文責:西東京中央総合病院 リハビリテーション科

理学療法士・心臓リハビリテーション指導士

北越 亜紀子

 

心臓リハビリテーションチーム

田口 徹:理学療法士・心臓リハビリテーション指導士

内田 麻織:理学療法士

塚本 清楓:理学療法士

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