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【熱海所記念病院】「熱海市土砂災害における避難所での支援活動について」

皆様もニュースでご存じのとおり、2021年7月3日に熱海市で土砂災害が発生しました。

多くの方が被害を受け、被害を受けた住民の方々は避難所での生活を余儀なくされました。災害発生直後は約500名近い方が避難所で生活をし、現在もまだ170名近くの方が避難所での生活を送っています。

避難生活の長期化は、被災高齢者の生活不活発病の発生リスクを高め、また、身体機能が低下している方々にとっては、住環境が整っていない避難所での生活はとても大変です。

そこで、7月12日より静岡JRAT(一般社団法人日本災害リハビリテーション支援協会)のスタッフが、現地入りし、発生直後から活動するDMAT(災害派遣医療チーム)や看護師・保健師らと協議した結果、リハビリテーション職の介入が重要な局面を迎えていると判断し、リハビリテーション職による活動が開始されました。

主な活動内容としては、看護師・保健師・静岡DWAT(災害派遣福祉チーム)と避難者の健康支援ラウンドを行い、体調の確認や、避難所居室における環境調整の助言(段ボールベッドの設置、福祉用具の必要性の有無)、訪問リハビリ等の必要性の確認、生活不活発病の予防を目的とした健康体操を実施致しました。

当院からも多くのスタッフが静岡JRATの派遣活動に参加し、8月3日からは、JRATの活動を引き継ぐ形で、静岡県リハビリテーション専門職団体協議会が避難所支援を継続して実施しています。

私は、静岡県リハビリテーション専門職団体協議会チームの「避難所支援責任者」に任命され、通常の派遣業務に加え、日々変化する避難所の情報収集や、熱海市や他団体との連絡調整、また派遣者調整業務の取り纏め等をさせていただきました。初めての経験であり、臨機応変に対応することの難しさはありましたが、当院のリハビリ科職員をはじめ、同法人の熱海海の見える病院の職員、静岡県内の多くの理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が派遣活動に協力してくれ、大きなトラブルもなく日々の支援活動を行うことが出来ました。

特に、今回の避難所支援において、当法人の職員は本当に頑張ってくれました。1年目から10年目以上の職員23名が自身の休みを使って参加してくれ、若手スタッフも避難所リハチームのリーダーを務めるなど、普段の業務で見せない一面や活躍をみせてくれ、とても頼もしく感じました。

土砂災害から2か月たった今でも復旧が進んでいない箇所も多く、被災者の皆様は日々大変な思いで生活されています。今後も、静岡県、熱海市、他職種とも連携し、避難所における健康支援だけでなく、公営住宅等への環境調整や福祉用具設置の助言など、一日も早い復興を目指し継続して活動を行っていければと考えています。

【熱海所記念病院ホームページ】

https://atami-tokoro.jp

文責:熱海所記念病院 リハビリテーション科 所属長 宮上純貴

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