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専門医より

 

◆ からだにやさしい大腸癌治療 —腹腔鏡下大腸癌手術—

鈴木恵史

 

大腸癌に対する腹腔鏡手術は日本では 1992 年から行なわれ、 2009 年までに約7万例行なわれています。また、 2002 年 4 月に保険適応となり、民間病院でも技術力さえあれば(開腹手術とは全く異なる技術が必要であり、大学病院でも行なえない病院が有る)行いやすくなり、今後さらに普及していくことが予想されます。

現在、わが国の大腸癌治療は大腸癌治療ガイドラインに従い行なわれます。その中で腹腔鏡下大腸癌手術は、早期大腸癌(内視鏡治の適応となる粘膜内癌 — 腸の壁の一番内側、または粘膜下層 — 腸の壁の二層目への軽度浸潤癌を除く)、さらに早期は超えるが筋層(腸の壁の三層目)に留まる癌が適応とされています。

※各図はクリックすると拡大表示されます。

腹腔鏡下大腸癌手術の方法は他の腹腔鏡手術と同様に腹腔内に炭酸ガスを入れてお腹を膨らませ(気腹)手術スペースを作ります(図1)。

そして、 3~4 ヶ所の 5~10mm の小さな孔(ポート)から腹腔鏡(直径 5mm )と手術用の器具(鉗子)を腹部に入れ、腹腔鏡からの映像が映し出されているモニター画面を見ながら、大腸周囲のリンパ節の切除、血管処理(図 2 )を行ないます。

腹腔鏡からの画像は鮮明かつ拡大視でき、繊細な手術操作が可能です。腹腔鏡の操作を終えた後に 4~5cm の傷から切除した大腸を取り出し、つなぎ治します(図3)。

S状結腸癌手術後(図4)

盲腸癌手術後(図5)の傷の写真を示します。なお、傷は大腸癌の部位により異なります。

 

従来の開腹手術で約 20cm 腹部を切開した場合と比較し、傷が小さいため、術後の痛みが少ない、さらに腸管に与える影響が少なく全身の炎症反応の変化も少ない(図6)ため、術後の回復が早く、早期から食事が摂れ、その結果として早期退院、早期社会復帰が可能となります。このように、腹腔鏡下大腸癌手術は他の腹腔鏡手術と同様にからだへの負担が少ない手術です。民間病院である当院では、患者様のためにある「からだにやさしい手術」は必要不可欠と考え行なっております。


(図6)

なお、腹腔鏡手術については大腸癌のみならず他の疾患でも行なっておりますので、消化器外科外来でお気軽に御相談ください。

 

鈴木 恵史 (杏林大学卒)
 副院長(外科)。医学博士。
 昭和大学消化器・一般外科客員教授、
 日本内視鏡外科学会技術認定(消化器外科)、
 日本胃癌学会評議員、日本臨床外科学会評議員、
 日本内視鏡外科学会評議員、日本外科学会指導医、専門医、
 日本消化器外科学会指導医、専門医
 日本消化器内視鏡学会指導医、専門医
 日本臨床腫瘍学会暫定指導医、
 日本消化器病学会専門医

 

 

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