トピック


内科医師 倉林 幹雄



 人に感染症を起こす病原体には、主に真菌(かび)、細菌、ウイルス等があります。
  一般にウイルスは真菌や細菌に比べ小さく、真菌に効く抗真菌剤や細菌に効く抗生物質は、かぜのウイルスやその他のウイルス感染には無効です。真菌や細菌は生き物で培地等にて増殖させることが出来、また生きた細胞は必要としませんが、ウイルスは生物でない病原体で、生きた細胞が必要でその細胞の中でのみ増殖します。遺伝子操作にて大腸菌等の細菌に遺伝子を組み込ませて増殖させる方法もとられていますが一般には標的とするある一定の細胞内(植物や動物さらに気管支上皮や肝臓の細胞など)でのみ増殖する特徴を持っています。(植物特有のウイルスや、豚や牛の口蹄疫ウイルスやチンパンジーや人の肝細胞内で増殖する肝炎ウイルスなど)
  最近はいくつかのウイルスに対しては抗ウイルス剤も開発され始めていますが細胞内で増殖するという特徴のためかウイルスだけにダメージを与える事が難しく副作用の面からも抗ウイルス剤としての効果に制限がかかるため抗ウイルス剤の開発は困難です。そのため、ワクチンによる免疫活性がウイルス感染に対する主な治療法です。(インフルエンザワクチンや日本脳炎ワクチンなど。)
ちなみにB型肝炎のワクチンは製造されていますがC型肝炎のワクチンはまだです。


 慢性肝炎の原因ウイルスとしては、1964年にB型肝炎ウイルスが認識されてから40年以上、また1989年にC型肝炎ウイルスが発見されてから20年以上になります。
  日本人の100人に1人から2人いるC型慢性肝炎の診断、治療には、先ずC型肝炎ウイルス抗体を測定し、C型肝炎に感染した既往があるかどうかを調べます。C型肝炎ウイルスに感染した場合は、3割位の方は感染後に自然に治癒していますが残りの7割の方は持続感染しC型慢性肝炎を発症する可能性があります。C型肝炎ウイルス抗体陽性の方はウイルス遺伝子(HCV RNA)を調べます。HCV RNA定性検査が陽性でトランスアミナーゼAST(GOT),ALT(GPT)に異常値を示していれば慢性C型肝炎と診断されます。(HCV RNAが陽性ならばデータ異常がなくてもC型肝炎ウイルスキャリアです。)
  C型慢性肝炎は軽い肝炎のまま経過するケースもありますが約7割に方は、徐々に進行し10年から30年で3割の方が肝硬変に更に肝癌に移行すると言われています。慢性肝炎が進行し肝硬変になると食道静脈瘤や腹水貯留など入院治療が必要な状態になったり、肝癌を発症し易くなります。
  慢性C型肝炎は遺伝子型とウイルス量で治療薬のインターフェロンの効果に差異を認めるため、インターフェロン単独やインターフェロンと核酸アナログ製剤の併用療法など治療法、またその治療期間が異なります。

 現在は、インターフェロン治療期間として48カ月もしくは72カ月の長期治療が保険適応となり治療法の工夫にて当初インターフェロン単独療法の3割程度のウイルス消失率が現在では6割以上に改善しています。理想は、C型肝炎ウイルスの排除ですが、その人の年齢や社会環境および感染したウイルスの遺伝子型ウイルス量などで肝癌の発症の抑制や慢性肝炎の進行抑制などの治療目的や治療法に幅が出てきます。
  慢性の病気は、なるべく元気で健康な時間を長く過ごせるように治療をすることが大切と思います。慢性肝炎や高血圧、高脂血症、肥満など成人病のもとと思われる病気も自分の生活や人生観に合った治療法を主治医の先生と相談しながら自分に合った治療をしましょう。




トピック



医事課 森川 稔之



 高額療養費制度とは、長期入院や治療が長引く場合などで、1カ月の医療費の自己負担が高額となった場合に、一定の金額(自己負担限度額)を超えた部分が払い戻される制度です。(原則、申請することにより払い戻しされます。)ただし、差額ベッド代や、食事療養費・入院生活療養費などの自己負担額は対象になりません。
  また、1カ月とは1日から末日までのことで、自己負担額とはレセプトごとに計算され、通院時と入院時に支払った費用なども、別々に限度額を超えている必要があります。


高額療養費制度の申請の流れ

高額療養費制度の申請


70歳未満の場合
※払い戻し額は所得に応じて異なります


70歳以上75歳未満の場合
※払い戻し額は所得に応じて異なります


75歳以上の場合
※払い戻し額は所得に応じて異なります


 この度当院では最新16列マルチスライスCT(アメリカ、GE社製)を新たに導入致しました。このCTでは画質の向上や検査スピードの短縮により、従来より検査時間が短くなりました。また3D画像も簡便に作成することが可能であり、患者様に対して分かりやすいインフォームドコンセントを行なうことが可能です。その上被ばくについても従来より低減しており、より安心して検査を受けて頂くことが可能となっております。ご不明な点は医師または放射線技師にお尋ねください。







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