トピック

副 院 長  鈴木 恵史


皆さんが食事することにより、胃には多くの種類の食べ物が入り込んできます。なかには発がん性のある食べ物も含まれます。また、強い酸性である胃液という消化液が胃を刺激します。さらに、ピロリ菌(Helicobacter pylori)という細菌が生息し胃を刺激します。このように胃は多くの刺激にさらされているために、胃の内側を被う粘膜という壁に潰瘍やがんができることがあります。

 現在、食事は胃がんの発生に最も関係していると考えられています。どんな食べ物にもごく少量の発がん物質が含まれています。この発がん物質を多く含む食品をあまり食べないことや、習慣として食べるのをやめることが胃がん予防に結びつきます。最も関係する食物は塩蔵品(塩漬けの魚や肉、漬け物)です。また、魚や肉の焦げたところにも多くの発がん物質が含まれます。さらに、とても熱いものを急いで胃に飲み込むことも良くないと思われています。食生活で大切なことはバランスの良い食事です。また、タバコも胃がんの発生を増やします。タバコは生活必需品ではありません。禁煙を強くお勧めします。 
  生きていく上で食事無しの生活は不可能であり、胃がんの発生を完全に防止することはできません。   胃がんは早期発見が可能な癌です。40歳を過ぎたら胃がん検診を受けることをお勧めします。早期発見されれば、より体に負担の少ない治療で治ることができます。

 

 マスコミにも良く登場するピロリ菌という細菌が胃がんの原因と聞いた方も多いかもしれません。統計的な研究や動物実験からピロリ菌の持続感染が、胃がんのリスク要因とされています。しかし、このメカニズムはまだ解明されていません。近年、ピロリ菌を除菌(取り除く)することにより、十二指腸潰瘍、胃潰瘍の再発が減少することが解りました。さらに、ピロリ菌による胃炎の研究が進み、慢性胃炎から何段階かの変化を経て胃がんが発生すると考えられるようになってきました。しかし、ピロリ菌に感染すると必ず胃がんになるわけではありません。日本人の多くはピロリ菌に感染していますが、全員が胃がんになるわけではありません。胃がんになるまでにはピロリ菌自身の遺伝子の違い、環境などその他種々の要因が組み合わされていると考えられます。従って、ピロリ菌を除菌することによる胃がんの予防効果は未解決です。ピロリ菌がいて胃がんが心配であれば、やはり検診を受けることが大切です。

 

胃がんだけでなく一般にがんを防ぐための12ヵ条が国立がんセンターより公表されているので以下に示します。

 1. バランスのとれた栄養をとる 〜いろどり豊な食卓にして〜
 2.毎日,変化のある食生活を 〜ワンパターンではありませんか?〜
 3.食べすぎをさけ,脂肪はひかえめに 〜おいしい物も適量に〜
 4.お酒はほどほどに 〜健康的に楽しみましょう〜
 5.タバコは吸わないように 〜特に,新しく吸いはじめない〜
 6.食べ物から適量のビタミンと繊維質のものを多くとる
   〜緑黄色野菜をたっぷりと〜
 7.塩辛いものは少なめに,あまり熱いものはさましてから
   〜胃や食道をいたわって〜
 8.焦げた部分はさける 〜突然変異を引き起こします〜
 9.かびの生えたものに注意 〜食べる前にチェックして〜
10.日光に当たりすぎない 〜太陽はいたずら者です〜
11.適度にスポーツをする 〜いい汗,流しましょう〜
12.体を清潔に 〜さわやかな気分で〜

今回は胃がん予防についてお話しましたが、胃がんだけでなく胃の病気について心配な方はどうぞ遠慮なく 消化器外科または消化器内科外来で御相談ください。




トピック


薬 剤 科  小林 重光


従来より、注射抗がん薬の混合調剤を病棟看護師が行ってきましたが、2009年8月より、安全キャビネット(右下写真)を1台導入し、薬剤科による無菌的混合調剤を行うことになりました。
 調製を始める前に、抗がん薬の投与計画が標準的なものであること、その患者さんの状態に応じた投与量であることを確認する。
 
 抗がん薬の溶解液や溶解方法、希釈液や希釈方法、輸液器材の選択、配合変化のチェックを行う。
 
 安全キャビネット内で無菌的に注射抗がん薬の調製を行う。
 
 調製時において薬剤師の抗がん薬による被爆を、安全キャビネットを使用する事によって防止する。


以上の4点を実践することで、患者さんにとって有益な抗がん薬治療が行えるようサポートしていきます。
   

 



 



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