
NSTとは栄養サポートチーム(Nutrition Support Team)の略称です。医師、看護師、薬剤師、栄養士、理学療法士、臨床検査技師など、さまざまな職種から構成され、それぞれの専門知識を活かして、共同して患者さんの栄養管理を行う診療チームです。1970年代のアメリカに端を発し、1990年代以後、日本の病院でも急速に普及しつつあります。従来、栄養管理は治療の中でその重要性が過小評価されていました。しかし、近年では栄養管理こそが治療の成否を握るとまで言われるようになりつつあります。

たとえば肺炎の治療を例にとって考えてみましょう。細菌性肺炎の治療には抗生物質が使われますが、実は抗生物質は治療の主役ではありません。肺炎をおこす細菌が感染すると、身体に備わった免疫システムが稼働して白血球などが細菌を退治します。さらに細菌を痰に包んで体の外に排除します。最終的に細菌が身体から排除されてはじめて肺炎が治癒することになります。抗生物質の役割は、細菌軍と免疫軍の戦いのなかで免疫軍が有利になるように、細菌軍の数を減らすことにあります。抗生物質はあくまでも助っ人でしかなく、治療の主役は免疫軍なのです。
十分な兵糧が免疫軍に供給されなければ、免疫軍は疲弊して細菌軍に負けてしまいます。
肺炎をはじめとする感染症の治療では、抗生物質の選択もさることながら、実は栄養管理こそが成否の鍵を握っています。感染症のみならずあらゆる傷病の治療において、栄養管理は「縁の下の力持ち」なのです。

当院は平成17年11月1日、日本静脈経腸栄養学会によりNST稼動施設認定病院と認定されました。
毎週火曜日に、入院患者さんの中から念入りな栄養管理が必要な方々をピックアップし、詳しい検討を行っています。炭水化物、タンパク質、脂肪などの基本栄養素の構成、点滴や経管栄養などの栄養補充の方法、嚥下障害のリハビリテーションなど、扱う内容も多岐にわたります。
各職種が知恵を出し合って栄養療法のメニューを考え、主治医とともに治療に参加し、研鑽に励んでいます。病院ホームページ(http://www.tmg.or.jp/denencyofu/)に活動の一端を紹介しておりますので、興味のある方はぜひご覧ください。
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