
虫垂炎は俗に『盲腸』と呼ばれていますが、盲腸(炎)とは虫垂炎の炎症が高度で盲腸に及んだものの事をいい、『急性虫垂炎』が正しい呼び名です。誰でも虫垂炎にかかる可能性はありますが、一生涯にかかる率は7%前後と言われています。

異物や糞石などが原因で虫垂内に閉塞がおこり、二次的に細菌感染を起こすと考えられます。

典型的な症状は、最初のうちは上腹部が痛くなり徐々に右下腹部に痛みが移行するものが一般的です。ひどくなると、下腹部全体に痛みが広がり腹膜炎の状態となります。

非常に軽度な虫垂炎の場合には『ちらす』すなわち、絶食・抗生剤治療にて軽快する事もあります。しかしこの場合には、2人に1人は将来的に虫垂炎が再発する可能性が残ります。
一方、ある程度すすんだ虫垂炎の場合は手術が必要となります。

当院ではこの虫垂炎手術に対して、全例に腹腔鏡による手術を行っています。腹腔鏡手術は従来の開腹手術と比べて技術を必要とします。炭酸ガスでお腹を膨らませて、『腹腔鏡』と言うカメラを使って、お腹の中をテレビ画面で観察しながら、数ヶ所の小さな穴(ポート)から長い器具(鉗子)を入れて手術を行います(図1)。
お腹を大きく切る事が無いため、手術のキズ(創)が小さくてすみます(図2)。手術後の回復も早く、結果的に入院期間も短くてすみます。

虫垂炎手術特有の術後合併症として、腹腔内膿瘍があげられます。虫垂に穴が開き、腹膜炎になっている場合、術後にお腹の中に膿が溜まる状態を言います。症状がひどい程、術後腹腔内膿瘍の確率が高くなります。この腹腔内膿瘍予防のため、当院では手術術式の工夫として全例に高速洗浄器による術中大量洗浄を行っています(図3)。今までに50例近く本術式を施行しましたが、術後合併症(腹腔内膿瘍)は1例も認めず非常に有用な術式であると考えております。
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『患者さんにやさしい虫垂炎手術』に取り組んでおります。
何か質問等がございましたら、お気軽に外科スタッフにご相談ください。 |
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