トピック

麻酔科部長  横山 俊郎


全身麻酔中に手術中のことを覚えていることを「術中覚醒」といいます。
「手術中の医師の会話が聞こえた」くらいから、「声を出そうと思ったけど、体が動かなかった」、あるいは「メスで切っているような感覚があった」、などなど。
これらは実際にあったお話です。
アメリカにおける訴訟の統計では、この「術中覚醒」が起こる確率は0.006〜0.2%といわれて
います。全身麻酔500〜1500件に1例ほどの確立です。

「術中覚醒」はどういった場合に起きやすいのでしょうか?

@手術の種類
  心臓の手術、帝王切開の緊急手術では他の手術より起きやすいと言われています。
また、手術中に大量出血が起きた場合にも、「術中覚醒」が起きやすいと言われています。
   
A患者さんの病気の問題
  心臓などに重い持病がある方や、大怪我の緊急手術など、深い麻酔に耐えられない場合には「術中覚醒」が起きやすいと言われています。
   
B患者さんの体質
  どんなお薬でも、利きやすい人と利きにくい人がいます。頭痛で痛み止めを飲んでも、効かない人がいるように。
全身麻酔中には手術の進行に合わせて麻酔薬や鎮痛剤を調節していますが、実際に麻酔が効いているか確実に確認する方法はまだありません。
   
C麻酔科医の技術の問題
  麻酔科医が麻酔薬を投与していると思い込んでいたのに、実際は麻酔薬が空になっていたり点滴がなくなっていて、一時的に麻酔深度が浅くなってしまうことがあります。

 
これらの原因が重なり合って起こった場合、「術中覚醒」が起きやすいと言われていますが、どれか一つが当てはまるからといってもあまり心配することはありません。

それでも「術中覚醒」の危険性は「0」ではありません。

当院では、専門医が全身麻酔中ずっと患者さんの傍に付いています。
そして、ガス麻酔や、硬膜外麻酔、医療用麻酔など様々な方法を併用して、「術中覚醒」に取り組んでいます。

それでも心配な場合は、お気軽にご相談ください。




トピック


保守管理課  肥後 善博


新年明けましておめでとうございます。
さて、新年にはいろいろな行事がありますが「御神火祭り」という行事をご存じでしょうか?
奈良では年の初めにこの祭りの神聖な火をいただき「祝い火」とする行事があります。火を尊び大切にする古くからの風習で参拝者は、この火を家庭に持ち帰り神棚に灯し雑煮を炊く火として使用されます。

このように昔から火は神聖なものとして考えられており昨年は北京オリンピックが開催された年でもあり聖火が厳重な警備の中でリレーされる映像が記憶に新しいところです。これもまた火を神聖なものとして考え引き継がれているものの一つではないでしょうか。また「火中の栗をひろう」〜他人のために危険を冒す。「心頭滅却すれば火もまた涼し」〜無念無想の境地にあれば、どんな苦痛も苦痛とは感じなくなる、等々のことわざも多くあり火は昔から生活の中に深く浸透し尊ばれてきていました。しかし、最近は火に触れなくとも生活出来る環境が身近にあり調理も暖房も電化になり、火を付けるのは煙草を吸うときだけなんて言う人も多いのでは?

私自身、子供の時は火遊びを良くしていて親に「火遊びをしてると夜にオネショをするぞ」と医学的根拠があるとは思えない説教をされたものです。現代ではそんな説教をする親は誰もいないと思いますが。それだけ子供の頃から火に対する意識が低くなっているのは間違いないと思います。
この意識の低下が火災に対する意識の低下にも繋がり、昔とは比べ物にならない程、文明や技術は進歩し安全に暮らせるはずの現代でも火災は相変わらず起こっているのはないでしょうか?火災はビルや工場よりも家庭から発生する方が多く、これは職場より家庭の防災意識が低いと考えられます。

火災の事例として私の住んでいる団地で起きた火災の状況をお話しさせていただきます。
火災の原因は衣類乾燥機のコンセントの差込口に埃がたまり加熱発火したもので、出火時に住民は留守であり乾燥機のスイッチを入れてから外出した後、火災が起きたものです。近隣の住民が換気口からの煙に気づきインターホンを押したが応答が無いため119番通報と同時に隣の居室からベランダ越しに侵入したところ窓の鍵が開いていたため中に入り消火器で消火しました。消火後にこの部屋の住人が帰宅し消防車が何台も来ているがまさか自宅が火災になっているとは思わなかったそうです。運良く近隣の人々のお陰で洗面所の火災だけで済んだのですが消火後の光景は消火剤により辺り一面は真っ白の粉が付着し悲惨な状態に、隣接する室内にまで粉末が入り込み掃除をするのに大変苦労したそうです。最近では消火後のことを考え粉末ではない、液体(酢と漢方薬)の家庭用消火器が宮田工業から発売されています。私も昨年、1本購入し玄関に置いています。自転車屋さんで購入できますので興味のある方はどうぞ。何年か前の防災標語に「便利さに 慣れて忘れる 火の怖さ」というのがありました。
この火災事例から分かるように普段の何気ない生活の中にこそ火災の怖さが潜んでいることを新たな年に再認識して我家の防災、病院の防災を祈願してはどうでしょうか。


 


 



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