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梅雨時や真夏に、[冷え]を感じて体調不良となる方が少なくありません。
レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナリザ」ことジョコンダ婦人は、冷え、肩こりを抱えて微笑んでいるポーズの様に見えるかもしれません。[冷え]は、最初に大病を早期発見するきっかけとなる身体から発するサインのひとつと言えるかもしれません。古くから漢方医学では「冷え」について分析されています。たとえば「気虚(ききょ)」とは、気の力が全般に薄弱になった状態で、食欲低下・抑うつ状態・意欲減退・積極的になれないなどの状態を示します。がんや膠原病・リウマチなどの難病が早期の段階のときに示す症状として、ある重要な健康上の警告であるかもしれません。
漢方の「気」「血」「水」の概念の中で、貧血傾向の「血虚(けっきょ)」と多血傾向の「血実(けつじつ)」という言葉があります。血液の流れが緩慢となり鬱滞(うったい)して血行不良状態を示すと考えられます。
また「気滞」とは気の循行が妨げられた状態とされ「気鬱(きうつ)」と同義的に扱われる場合もあり、一時的に女性が感ずる月経前状態・緊張症に見られる心身の状態とも言える概念と考えられます。若い女性が悩まされる冷房の影響が最も懸念される月内の週サイクルを御自分で日記などに基礎体温と合わせてチェックしておくと、公私ともにスケジュールを決める心構えの上で有意義です。
またもう一つ漢方医学上、「冷え」の内容を示す概念が「お血(おけつ)」です。血液が滞ること、すなわち気滞・気虚・寒凝など血液が停滞する状態で、身体の各所五臓六腑、皮膚、粘膜などにその徴候が表れます。これは広い意味の循環障害とも解され、具体的な症候としては頭痛、不眠、肩こり、こわばり、腹部膨満感、便秘などを伴っています。鬱血または出血の傾向が現れるものを指すことが多く、実際には高血圧、痔疾や婦人の月経不順、更年期障害がお血(おけつ)によるものと解されます。泉質豊かな温泉でうまく保養のスケジュールを取り入れたり、「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」「桃核承気湯(とうかくじょうきとう)」「人参養栄湯(にんじんようえいとう)」など、「証」:個々の体格などを考慮したお薬で症状の緩和を図りながら、がんや難病を含めた現代の重要な死因に繋がる疾患鑑別検査を進めます。
「冷え」のレベルが、冷水や冷風にあたると手指が極端に白いローソクのように変化し赤青紫から赤黒くジンジン痛みを感ずるレベルの場合、重症化しやすい「レイノー現象」を生じていると判断されます。動脈血管の閉塞を暗示していることのため、循環不全・膠原病・リウマチ性疾患・アレルギー・悪性腫瘍(がん)による病態、疾患鑑別、抗核抗体など免疫異常、出血性胃潰瘍の有無を判定の上、血流改善・血小板凝集抑制剤・血管拡張剤で薬物療法による循環改善が必要となります。
レイノー症候群の代表的鑑別疾患としては、1)リウマチ・膠原病などのアレルギー自己免疫疾患:血管炎を伴う関節リウマチ(悪性関節リウマチ)、強皮症、混合性結合組織病、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、結節性多発動脈炎、アレルギー性血管炎など。2)閉塞性動脈疾患:糖尿病等からの慢性閉塞性動脈硬化症、たばこからのバージャー病。3)「がん」に伴うこともある血液凝固異常・血清蛋白異常:クリオグロブリン血症、多血症、寒冷凝集素血症、赤血球増多症、マクログロブリン血症・高ガンマグロブリン血症など。
「クールビズ」の取り組みは、省エネ・温暖化対策のみならず現代人の健康、「冷え」および「レイノー現象」対策上重要な心得です。「冷え」がいつまでたっても解消されない心配な方は、ご相談ください。
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