慢性閉塞性肺疾患(以下COPD)とは有毒な粒子やガス(タバコの煙、大気汚染など)の吸入によって生じた肺の炎症反応に基づく進行性の気流制限(閉塞性換気障害)を呈し、肺で酸素を取り込むことが難しくなる病気です。発症と経過がゆっくりで、咳、痰、労作性呼吸困難を起こします。進行すると会話、衣服の着脱でも息切れを自覚するようになり、日常生活が著しく制限され、生活の質が低下してしまいます。1960年代以降タバコの販売量や消費量が増大し、これに約20年遅れてCOPDの死亡率が増加して、2000年には死因の第10位にはじめて登場しました。
図:COPDの臨床像に関する概念図(COPDガイドラインより)

COPDの危険因子には喫煙、大気汚染、粉塵、化学物質、受動喫煙等の外因性危険因子と患者側の内因性危険因子(α1−AT欠損症など:日本においては非常にまれ)に分けられますが、このうち喫煙がCOPDの最重要の外因性危険因子であり、90%近くのCOPD患者は喫煙者で、高齢喫煙者では50%近くにCOPDが発症するとの報告があります。
中高年者で慢性の咳嗽、喀痰、労作時呼吸困難や長期間の喫煙歴があればCOPDを疑い呼吸機能検査を行い、他疾患の除外も含め胸部単純X線、胸CTなどの画像診断を行います。
胸CT写真:
肺胞領域では肺胞の破壊消失と気腔の拡大を特徴とする気腫性病変がみられています

COPDの治療は、気管支拡張剤を中心とした薬物療法とともに、禁煙が優先的な治療と位置付けられており、COPDの予防及び治療の第一歩として極めて重要です。
つまり禁煙はCOPDの発症のリスクを減らし、進行を止める唯一の最も効果的で最も費用対効果の高い方法なのです。喫煙は嗜好品ではなくニコチン依存という薬物依存の一型としてとらえられ、平成18年4月より禁煙治療が保険適応となっており、当院でも7月よりニコチンパッチを用いた保険適応の禁煙外来を行っております。現在COPDでなくとも将来の発症を予防するために早期の禁煙をお薦めします。息切れ、咳、痰などの自覚症状がある方だけでなく、喫煙者はぜひ一度禁煙外来を受診しご相談ください。当院における禁煙外来は下記のとおりです。
【禁煙外来日程表】
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