ヘルニアは「芽」というギリシア語、また破裂を意味するラテン語に由来し、先天性または後天性の組織の欠損部、あるいは裂隙など抵抗の弱い部を通じて臓器、あるいは組織が、その正常の位置より脱出しているものを意味します。腹部に多くみられるので単にヘルニアといえば、通常は腹部のヘルニアを意味します。
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腹部以外の臓器や組織がヘルニアやヘルニア様
状態を呈することがありますが、これらは例えば椎間板ヘルニア、脳ヘルニア、などとそれぞれの名称を付して呼ばれています。腹部内臓が壁側腹膜で包まれた状態で腹腔外に脱出するものを外ヘルニアといい、腹膜の陥凹部または後
天的の腹腔内裂隙に内臓が嵌入して、外部よりみえないものを内ヘルニアといいます。
外ヘルニアの主なるものは、鼠径ヘルニア、大腿ヘルニア、臍ヘルニア、腹壁ヘルニア、閉鎖孔ヘルニア、などであり、内ヘルニアには十二指腸空腸陥凹ヘルニア、盲腸陥凹ヘルニア、横隔膜ヘルニアなどがあります。もっとも一般的にみられるのが鼠径ヘルニアであります。
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腹壁ヘルニアの種類

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代表的な鼠径ヘルニアについて述べますと、鼠径ヘルニアには外側鼠径ヘルニアと内側鼠径ヘルニアの二つに分けられます。男性と女性では10:1と圧倒的に男性に多く、左右別の発生頻度は外側鼠径ヘルニアは右側に多発する傾向が強く右、左および両側性発生の比率は6:3:1といわれ、これは胎生期の睾丸下降が左側より右側の方がおくれることなどが考えられています。
内側鼠径ヘルニアも右側に多発しますが、60%において両側に発生します。症状としては、自覚症状として、鼠径部にヘルニア腫瘤が認められるようになります。治療は、ヘルニア帯でヘルニア門を圧迫して臓器の圧迫を防止し自然治癒を期待する保存的に治療することがありますが、大きなものや1歳以上ではその可能性は、きわめて少なく手術的治療となる。古くから手術術式には種々の方法と変法がありますが、小児例を除き現在では、メッシュ・プラグ(写真)を用いたヘルニア修復術を施行しています。
メッシュ・プラグ

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手術法は成人では腰椎麻酔をし、鼠径靭帯の1横指内上方に約5pの皮切をおき、皮下組織を皮膚と同じ方向に切開し外腹斜筋腱膜に至ります。外鼠径輪から内鼠径輪まで外腹斜筋腱膜を切開し鼠径管をあらわにします。外鼠径ヘルニアではここから内精動静脈、精管からヘルニア嚢を剥離し完全に腹腔内に反転させプラグを内鼠径輪に挿入します。
内鼠径ヘルニアではヘルニア門で横筋筋膜を全周性にわたって切開し、ヘルニア嚢を内翻しプラグを挿入します。プラグをヘルニア門縁と数針縫合固定し、プラグ挿入後、膜状のOnlay Patchをあて後壁補強とし外腹斜筋腱膜を縫合、切開した皮膚を縫合し手術が終了します。現在は術後の疼痛やより再発を少なくするプラグ法によるヘルニア修復術式が手術治療として第一に選択されています。
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