2006年 4月号

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トピック

 呼吸器外科専門医
院長  成瀬 博昭


いびきは健康状態の危険信号です!

いびきはのど(上気道)で発生します。狭いのどに無理やり空気を通そうとするといびきが生じます。また、睡眠は身体のコンデイションに影響されます。たとえば、深酒をしたり、過労があれば、いびきをかく方はいらっしゃいます。しかし、いつでも習慣性にいびきをかく方、とくに、いびきといびきの間に息がとまってしまう、そんないびきをかく方は睡眠時無呼吸症候群の可能性があり、要注意です。

寝ている間にいびきが止まる!  呼吸が止まる!
寝ている時の事なので、本人にはわからない!

 

『睡眠時無呼吸症候群とは?』
<SAS ; Sleep Apnea Syndrome>

睡眠中に何度も呼吸が止まった状態(無呼吸)を繰り返し、その結果、日中傾眠などの種々の症状を呈する疾患の総称です。
10秒以上続く無呼吸が、7時間の睡眠中に30回以上、もしくは睡眠1時間に平均5回以上認められる場合をSASと呼びます。わが国では200万人以上の人がSASに罹患していると言われています。

このような症状はありませんか?

1. 会議中よく眠くなる。          2. TV、ビデオを見ているときよく眠くなる。
3. 運転中よく眠くなる。          4. 缶コーヒーを一日に5本以上飲む。
5. コーラが大好きだ。           6. 床につくと10分以内に眠ってしまう。
7. 眠っている時に息の詰まった感じがする。
8. 睡眠中排尿のためによく目が覚める。

これらの症状がみられる場合は要注意です。お早めにご相談ください。

眠気を客観的に評価する方法 ESS (Epworth sleepiness score) による評価

以下の8項目の状況での眠気を4段階で評価する。
 0:絶対に眠らない
 1:30%程度の確率で眠ってしまう。
 2:50から60%の確率で眠ってしまう。
 3:70から80%以上の確率で眠ってしまう。

合計点数を出してみましょう。

3点以下:問題なし
6点以上10点以下:眠気は強いので、自分の周囲にいる人にいびきや呼吸の停止があるかどうかをみてもらう必要があります。
11点以上:眠気は非常に強いので、SASの可能性があります。早めに医師にご相談されることをお勧めします。

 

生活習慣病、交通事故、産業災害との関係

1時間あたり20回以上の無呼吸が記録された場合に無治療のまま放置すると、9年後には、 10人のうち4人が心臓病、 脳血管障害、交通事故で亡くなったという報告があります。

また、SASと生活習慣病の研究調査によると、正常な方と比較して、SAS患者様は高血圧は2倍、心疾患は3倍、脳卒中は4倍、糖尿病は1.5倍発症する可能性があると言われています。

交通事故については、飲酒している人より重症のSAS患者様のほうがハンドル操作ミスが多いとショッキングなデータもあります。日本でも平成13年度の道路交通法改正で、眠気を訴える疾患に罹患していて、治療を受けていない方には運転免許の発行、更新をしないことになりました。

  • SASなど睡眠障害によって起きたとされる主な事故
    米国 スリーマイル島原発事故(1979)
    米国 スペースシャトル「チャレンジャー」爆発事故(1986)
    ソ連 チェルノブイリ原発事故(1986)
    アラスカ沖タンカー座礁・原油流出事故(1989)
    アラスカ沖 客船「スタープリンセス号」座礁事故(1995)
    山陽新幹線ひかり居眠り運転(2004)

  • SAS患者と交通事故
    交通事故を経験している者は 54.5%。                 
    事故またはニアミスを経験している者は 75.0%。
    しかもSASの重症度が増すにつれて事故率が高まる。
    交通事故率は健常対照者の約7倍、一般ドライバーの約2.5倍。
    CPAP療法(下述参照)により継続的に治療を行った場合、交通事故は減少し、
    一般ドライバーと同等になるというデータがある。

  • SASの検査 
    ポリソムノグラフィー(PSG):睡眠状態をトータルに評価する検査法
    寝ている間の脳波、筋電図、眼球運動、呼吸の状態、いびき音、寝相、血液中の酸素の濃度等を測定して、無呼吸を評価します。センサー類がじゃまに感じるかもしれませんが、決して痛みを伴うものではありませんので安心してリラックスして検査を受けてください。
    夜、20:00頃入院していただきPSGを行います。朝、6:00AM頃には退院。仕事は休まず検査できます。

  • SASは治せる病気
    CPAP療法などの適切な治療をすれば、SASの症状はコントロールできます。快適な生活を送るためにも適切な治療をうけましょう。

  • 治療
    1)生活習慣の改善
    減量、睡眠中の体位の工夫、精神安定剤の服用の制限、禁煙、飲酒の制限など。

    2)内科的治療
    CPAP療法 (Continuous Positive Airway Pressure 持続陽圧呼吸療法) : 鼻マスクを介して、一定陽圧の空気を送り込み、上気道の開存を補助する療法 』は国際的に有用性が認められている。比較的容易に自宅で行うことができ、健康保険が適応されている。その結果、症状が劇的に改善される。

    ”もっと大切にしたい睡眠”
    気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

 

呼吸器外科専門医 院長  成瀬 博昭
外来担当日:水(午前)・金(午前・午後)

日本外科学会 専門医、指導医
日本胸部外科学会 指導医
日本呼吸器内視鏡学会 指導医
日本消化器外科学会 認定医


トピック 

薬剤科  島田 顕


現在、日本人の約20%が花粉症だといわれています。
原因となる花粉の飛ぶ季節にだけ症状があります。
日本では、約60種類の植物により花粉症を引き起こすと報告されています。
主な原因花粉として、スギ、ヒノキ、カモガヤ、ブタクサ、シラカバなどがあります。

どんな症状があるか
鼻の三大症状(くしゃみ・鼻みず・鼻づまり)だけでなく、目の症状(かゆみ、なみだ、充血など)を伴う場合が多く、その他にノドのかゆみ、皮膚のかゆみ、下痢、熱っぽい感じなどの症状が現れることがあります。

 

どうして起こるのか
ある花粉を、からだが受け入れられない人がいます。花粉が鼻にはいってくると、くしゃみで吹き飛ばし、鼻水で洗い流し、鼻づまりで中に入れないよう防御します。
目的にかなった反応ですが、この不快な症状は、病気といわざるをえません。

 

花粉症の治療法
『セルフケア(花粉の除去と回避)』『薬物療法』『減感作療法』『手術療法』
どの方法を選択するかは、重症度、病型によって異なります。病気のこと、治療のことを含めて、医師とよく相談しながら治療をはじめましょう。

 

花粉症の薬物療法
花粉症などのアレルギーは、症状が悪化すると薬が効きづらくなります。花粉の飛び始める2週間くらい前から症状を抑える薬(抗アレルギー薬)の服用を始め、シーズン中も継続するとより高い効果が期待できるといわれています。これが「初期療法」のメリットです。
とくに、毎年の症状が中等症以上になる方で、楽にシーズンを乗り切りたいと考えている方にお勧めです。
花粉症に効く薬は、時期と症状によって異なります。毎年の症状の出方、治療の希望、現在の症状をしっかり把握し、先生と一緒に自分にあった治療薬をみつけましょう。

◇ 花粉症のくすりの種類 ◇


  • 遊離抑制薬
    花粉が体内に入ったとき、肥満細胞からヒスタミンやロイコトリエンが出るのを抑える薬です。薬を飲み始めてから効果が現れるまでに2週間ほどかかるため、早めに服用を始める必要があります。軽症の花粉症や、他の薬による副作用を避けたい場合にシーズンを通して使うことがあります。

  • 抗ヒスタミン薬(抗アレルギー薬)
    ヒスタミンの作用をブロックするほか、さまざまな作用があります。くしゃみ・鼻みずに加えて鼻づまりに有効な薬剤も登場して薬の選択肢がさらに広がっています。
    抗ヒスタミン薬には、大きく分けると古いタイプ(第一世代)のものと新しいタイプ(第二世代)の2種類があります。
    第一世代は服用後10〜20分で効果が現れますが、眠気や口の渇きなどの副作用があります。一方、第二世代は効果が現れるまでに1〜2日かかるものの、副作用はあまりありません。
    花粉飛散前から服用し、シーズン中の症状をコントロールします

  • 血管収縮薬
    鼻に噴霧する点鼻薬で、粘膜の血管を収縮させて粘膜の腫れを取り除くことで、鼻づまりに効果を示します。使い過ぎると鼻づまりが強くなるときもあるので、1日1回、夜寝る前に使うのが基本です。

  • ステロイド薬
    最も症状が強い時に使われ、点鼻薬、経口薬、点眼薬があります。免疫反応を抑え、どのタイプの症状にも効果がみられます。

    局所ステロイド薬
    鼻づまりがひどい時などに、鼻に噴霧する薬。定期的に使用しないと効果が十分発揮されません。

    経口ステロイド薬
    局所ステロイド薬では抑制できない場合に経口ステロイド薬を使うことがあります。ただし、副作用を考慮して短期間の投与に限定して服用します。

 

症状が軽くなったら、薬を飲まなくて大丈夫でよいか?
花粉症の症状は花粉の飛散量によって変わります。
雨が降ると花粉は飛ばない為、その日の症状は楽になりますが、ここで薬の服用を勝手にやめると、次の大量飛散時にいっきに症状が悪化することがあります。
毎日規則正しい生活と服薬を心がけて下さい。
なお、服薬は花粉飛散後期になり、花粉飛散量が減ったら減量することができます。

 

受診する時のポイント
症状はいつ頃から始まったのか、くしゃみは1日に何回くらいでるのか、
ぜんそくになったことがあるかなどを聞きながら、治療方針が決定されます。
スムーズに診療をすすめる為にも、あらかじめメモを取って症状を把握しておくことをお勧めします。 また受診の前に、風邪だと思って風邪薬を飲んだ場合は、必ずそのことも先生に伝えましょう。



面会時間について

平日:15:00〜20:00
休日:11:00〜20:00

他の患者さまに迷惑のかからぬよう、面会時間をお守り下さい。尚、玄関駐輪場は来院患者さま専用ですのでご用のない方はご遠慮下さいますようお願い致します。

  
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